兵庫県北部、但馬地域の要となる豊岡市。
コウノトリの湯浴みで発見されたという
城崎温泉を始め、出石の城下町、山陰・但馬海岸
など四季折々の美に溢れています。
この地を風景写真家、星野佑佳さんと
伴に巡りましょう。
京都市生まれ在住。写真家・フォトエッセイスト。同志社大学法学部卒業。
2000年から海外や日本全国を放浪しながら撮影を始める。
2005年より地元である京都の風景や風物詩の撮影も手掛ける。
近著に「京の祭と行事365日」(淡交社)とフォトエッセイ集「撮り旅」(風景写真出版)がある。
豊岡市へは、コウノトリ但馬空港が便利
兵庫県の北端に位置する豊岡市へは、コウノトリ但馬空港の利用が便利です。東京(羽田)から大阪(伊丹)経由で約2時間、大阪(伊丹)からは約40分で到着できます。
日和山海岸 龍宮城
いつ、どこで見たのだろう。
海に浮かぶ龍宮城の写真を初めて目にしたとき、
おとぎ話そのままの姿に強烈な憧れと写欲を覚えた。
以来、「この場所を秘密にしておきたい」という気持ちと、
「撮影した龍宮城のさまざまな情景を見てほしい」という
相反する想いに揺れながら、幾度となく日和山海岸に足を運んだ。
<撮影情報>●カメラ:Nikon D810 ●レンズ:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR ●撮影モード:絞り優先オート、1/500秒、f/8 ●ISO感度:400
円山川
豊岡の霧の源でもある円山川。
朝、橋のシルエットがやっとわかるほどの気嵐の中に
一艘の小舟を見つけ、慌ててシャッターをきる。
いま、近くの津居山漁港ではカニの競りが白熱している頃だし、
来日岳の眼下には、朝日を浴びた金色の雲海が広がっているはず。
冬の豊岡の魅力は尽きない。
<撮影情報>●カメラ:Nikon Z 7 ●レンズ:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR ●撮影モード:絞り優先オート、1/1000秒、f/11 ●ISO感度:100
来日岳
山頂まで車で行ける来日岳から、夜の豊岡を眺める。
日本一霧が多いという豊岡は、しばしば雲海に包みこまれるが、
今宵は、天女の羽衣のごとき優しい霧だ。
薄く透けて見える街の灯が、蛍みたいにチラチラと光り美しい。
あと数時間で日の出の時刻。
今日も新しい一日が始まろうとしている。
<撮影情報>●カメラ:D850 ●レンズ:AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR ●撮影モード:マニュアル、618秒、f/11 ●ISO感度:100
出石神社
元旦は人で溢れかえるだろうと、
大晦日の真夜中に出石神社へ向かう。
朝にはまだ遠いせいか、境内は驚くほど静まり返り、
かがり火の薪がはじけるパチパチという音が響くだけ。
時折、若者たちが参拝に来ると賑わうが、
またすぐに凛とした静かな夜が蘇る。
<撮影情報>●カメラ:Nikon Z 7 ●レンズ:NIKKOR Z 24-70mm f/4 S ●撮影モード:マニュアル、6秒、f/11 ●ISO感度:100
神鍋高原
関西では貴重なスキー場がある神鍋高原。
稲株の残る田んぼに薄氷が張っていた。
パリンと割れそうな繊細な多角形が、
雲間からもれる光にキラキラ輝いている。
農業も盛んな豊岡、最近は農家民宿も人気らしい。
来冬は泊まってみたいな。
と囲炉裏で温まる自分を想像してほっこりした。
<撮影情報>●カメラ:Nikon Z 7 ●レンズ:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR ●撮影モード:絞り優先オート、1/125秒、f/13 ●ISO感度:200